第6回目の講義資料の残り(ワクチン)、前回分かりにくかった点を取り上げたあと
・体の内なる外、粘膜を対象とする免疫
・免疫疾患の治療法
・がん免疫
を取り上げます。
がん免疫のパートは、この講義を始めた時点のコンセプトを踏襲しています。免疫チェックポイント阻害薬がノーベル医学・生理学賞の対象となったことを考えると、わずか5年でここまで事態が変わったことに改めて驚きを感じます。
1. 粘膜免疫 (mucosal immunity)
1-1 粘膜免疫とは
粘膜、共生菌、免疫寛容
1-2 粘膜に特徴的な免疫器官・免疫細胞
粘膜固有層、パイエル板、上皮細胞層のCD8+細胞、B細胞とIgA産生、M細胞、T細胞ホーミングの特徴
1-3 免疫寛容はどのように生じるか
樹状細胞への刺激、制御性T細胞の誘導、免疫寛容に関与する物質
2. 免疫疾患の治療薬・治療法 (drugs and therapies for immune disorders)
2-1 抗炎症薬と抗アレルギー薬
抗アレルギー薬の標的、能動的な免疫療法
2-2 免疫抑制剤
環状化合物、カルシニューリン、シクロスポリンA、タクロリムス、ラパマイシン、FTY720
2-3 関節リウマチ
炎症性サイトカインの関与、抗サイトカイン抗体による治療
3. がん免疫 (cancer immunity)
3-1 がん免疫はあるのか?
実験動物からの知見、臨床データの知見、がん抗原候補物質
3-2 がんはどのようにして免疫監視を逃れるか?
抗原情報を隠す、共刺激を伴わない抗原提示で免疫寛容を誘導、
制御性T細胞の誘導
3-3 免疫現象を利用したがん治療
がんワクチン、養子免疫療法、CAR T細胞、抗体医薬、抗体依存的細胞障害、免疫チェックポイント、イピリブマブ・ニボルマブ・ペムブロリズマブとその摘要