2017年度も、2年生向けの講義となると思います。
私大で1年もまれ、講義に対する考えも変わりました。
資料は前年分を踏襲しますが(従って原図が由来する教科書は同じです)、
進め方については検討中です。
2年生の皆さんには、免疫学における各項目の理解が優先になると思います。
項目別によくまとめられた解説書がいくつか出ております。
この中から、田中稔之先生の「初めの一歩は絵で学ぶ 免疫学 「私の体」をまもる仕組み」を特に紹介します。わかりやすさに重点をおいていますが、ご本人の研究テーマに対するこだわりがよく表現されており、より専門的に読むこともできます。
2016年度ですが、2年生向けとして、講義資料を中心に進めようと思います。
内容が系統だっていないかもしれないので、ポイント毎に下に示すような本を
参考書として役立ててください。
図書館(薬・医)にも入っていると思います。
なお東分については、
Roitt "Essential Immunology"
Janeway's "Immunobiology"
Abbas "Cellular and Molecular Immunology"
が使用されます。
以下は2015年度版です。
Janeway's Immunobiology(英文は第8版)
を使用する予定です(下のリンクを参照ください)。
免疫学の教科書は版を重ねる毎に、やはりすこしずつ記述がかわっています。
和文の教科書(第7版)もあるのですが、英文にも挑戦してみませんか?
免疫学に関する最近出版された和文書です。
審良静男、黒崎知博「新しい免疫入門 自然免疫から自然炎症まで」
(講談社ブルーバックス)
樹状細胞上に表現されるMHC-抗原ペプチド複合体の図がリアルで印象的でした
矢田純一「免疫 からだを護る不思議なしくみ」第5版(東京化学同人)
相当気合いを入れて加筆、改訂されています。
以下は2013年度版です:
免疫学の入門書を読んだけれど、もう少し詳しく学びたいときにはどんな教科書で勉強したらいいですか?という質問を何度かうけました。
1. 講義では、主な教科書としては
を併用して使用しています。それぞれ和訳があります。
Roittの教科書では、コンセプトに関する図が自分の感性にあっている、免疫系の構成分子についての記載がよく書かれている、などの理由で選び、特に講義の前半の内容の参考にしました。
Janewayは免疫学を「生物学」の視点から学ぶ場合には、極めて優れた教科書だと思います。講義の後半はほぼこの教科書にならって進行しました。
2. 他にお薦めの教科書、書籍をきいてみました。
講義でもときどき参考にしました。
Roitt "Immunology"
(「免疫学イラストレイテッド」として和訳あり)
Abbas "Cellular and Molecular Immunology"
(「分子細胞生物学」として和訳あり)
DeFranco, Locksley, Robertson "Immunity"
(「免疫:感染症と炎症性疾患における免疫応答」として和訳あり)
河本 宏先生「もっとよくわかる!免疫学」(羊土社)
小安重夫先生「免疫学はやっぱりおもしろい」(羊土社)
同 「新・T細胞のイムノバイオロジー」(羊土社)
3. 最近の膨大な知見から重要なものを選んで学ぶにはどうしたらよいか、ということは私自身にとっても重要な課題です。「細胞工学」「実験医学」などの特集・増刊を利用するのはひとつの方法です。
あとは、人間関係をたどってともかく質問する、尋ねるということかもしれません。
なお、私のバックグランドでは免疫学全般をフォローするには誠に心許ないため、多くの部分を個人的コネで助けてもらっています。この場を借りて御礼申し上げます。
※炎症疾患に関する記述は免疫学の教科書にはあまり出てきません。むしろ、病理学の教科書(松島先生曰く"Anderson's Pathology")から探してみて下さい。
※※教科書ではありませんが、免疫学の一般書で
「現代免疫物語―花粉症や移植が教える生命の不思議」
「新・現代免疫物語 「抗体医薬」と「自然免疫」の驚異」
(どちらも岸本忠三・中嶋彰 著 講談社ブルーバックス)
は免疫学の歴史とその進展の様子が活き活きと描かれています。
免疫学の勉強をしたあとで通読すると、新たな味わいがあります。
※※※教科書が難しすぎる!というコメントをいただきました。
免疫学の全貌をつかむお薦めの本ということで
「休み時間の免疫学 第2版」(齋藤紀先 著 講談社)
ver5.1 20130905
Special Thanks to Dr. Nagai, Dr. Komatsu.
昨年書いたコラムです(コラムへ)